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銀河漂流バイファム13
8
ジェイナス危うし!敵は、内と外にいた?

1998年5月23日放映


ホルテを残してジェイナスを脱出したルービンの説得でルルドはジェイナスへの砲撃を中止する。ルルドは避難民の写真を電送するよう要求し、ルービンは小型艇で再びジェイナスに戻る。 一方ジェイナスの中では、人質として軟禁されていたホルテが部屋を脱出。子供達しかいないブリッジにやってきた彼女は、ジェイナスに軍人が乗船していない事実を知って愕然とする。事情を知ったホルテは子供達を守る決意を新たにするが、艦を降りる気持ちのない子供達は再度ホルテ達を軟禁するのだった。

今回は人質としてジェイナスに残ったホルテと子供達の駆け引き、そして単身ククト艦隊に乗り込んだルービンとルルド艦長の駆け引きが並行して描かれます。ここまで描かれてきた子供達&赤ちゃんの生活描写はほとんどなく、ストーリー的には前話と同様に嵐の前の静けさというところです。
ジェイナスへの砲撃をやめさせるために小型艇でククト艦隊に向かったルービンは抜群の操縦技術を見せてルルド艦にたどりつき、艦長のルルドに接見します。事情を説明するルービンにルルドは紳士的な応対を見せ、ジェイナスへの砲撃を中止させます。ルルドは避難民の写真を電送するよう要求し、ルービンは小型艇で再びジェイナスに戻ります。これまで本編中でただの悪役としか演出されていなかったルルドがようやく設定にある「エリート軍人」らしさを見せます。またルルドの家族がいたという「F95ステーション」については次回以降でそれが何を指しているのか明かされるものと思われます。
一方ジェイナスの中では、人質としてC65室に軟禁されたホルテが艦長に会わせるよう要求します。なんとかごまかし続ける子供達ですが、ホルテは見張りのケンツをうまくあしらって部屋を脱出します。子供達しかいないブリッジにやってきた彼女は、ジェイナスに軍人が乗船していない事実を知って愕然とします。ホルテは子供達を守る決意をしてラピスの母船に連絡を取ろうとしますが、艦を降りる気持ちのない子供達は再度ホルテ達を軟禁します。そして密かにジェイナスを攻撃するための準備を進めるルルドとバリル…。

…この8話までの展開の中で、子供達の目的、ホルテ達の目的、ルルドの目的を冷静に考えた場合にストーリー上つじつまが合わない点はかなりあります。ホルテ達に警戒心こそ抱くものの異星人である彼女たちを前にして恐怖感をまるで抱いていない子供達(旧作35話でククトニアンのガイ達を見て震えるペンチの描写はどこへ?)、リフレイドストーンを破壊せずに回収しなければならないルルドが安易にジェイナスをビーム攻撃する点、そして両親に会うのが目的である子供達がラピスの収容所に興味を抱かない点は現時点ではやはり不自然です(タウト星ではなくラピスに保護されている可能性もあるのに…)。新しい視点で「バイファム」というシリーズを描くという意気込みは分かりますが、やはり目的あっての子供達の描写がメインになってしかるべきでしょう。今後のストーリーにおいて、納得のいく演出がされることを期待したいと思います。

■今回は子供達(特に年長組)がかなり等身を増して作画されており、シリアスな演出に一役買っていました。前の7話とつづけて見た場合に多少違和感があることも事実ですが…。またルルドに関してはシーンによってかなり表情が違っており、こちらは単に描ききれていないだけという印象を受けました。
■この回唯一シリアスでなかったのは、砲撃のショックでよろめいたスコットがホルテの胸元に顔を埋めてしまうというシーンでした。スコットとホルテの今後の関係へのネタ振りなのでしょうが、意外にあっさりめの演出でした。それにしてもホルテのあの服、どういう構造してるんでしょうね。あと、彼女の靴が上履きみたいに見えるのは私だけでしょうか(笑)。
■ルルド艦の格納庫でARVブラグが出撃に向けて整備された後、ククトニアンの乗員が搭乗する様子が描かれました。ククト側の兵器の整備・出撃シーンが描かれたのは今回が初めてではないでしょうか。ここからも今回のシリーズの視点が子供達中心ではなくなってきていることがはっきり分かります。
■今シリーズでその崩れぶりが目立っていたスコットですが、ここ2話ほど旧シリーズのキャラクターに近づいてきたようです。その分優柔不断さが前面に出てしまうのは演出上いたしかたないところでしょう。それからビデオで録画されている方、ブリッジでスコットがケンツから通信チップを取り上げるシーンは一度コマ送りで見て下さい。結構スコットがすごい動きをしています。
■軟禁される直前、ククトニアンであるカチュアが子供達の中に混じっていることにホルテが気付きます。ここまで双子やラピスメンバーの乗船に際し、ククトニアンでありながらそれらしい演出が一切なされなかったカチュアですが、この演出によって今後ストーリーにからんでくる予感がします。
■本編のセリフにあった「C65」室、「F95」ステーションというのは何か元ネタがあるのではないかと思い、上の文中でも正確に表記しておきました。ちょっと考え過ぎかもしれませんが…。

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