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今回のテーマ

「バイファムを代表する名セリフ」



委員会公式見解

ケイト「異星人だから敵、そんな考え方は私達大人
だけでいいの。真似しちゃだめ!」(第16話)


バイファムという作品は極端に突出した名セリフがないのがひとつの特徴であると思う。もちろん正確には印象的なセリフはたくさんあるのだけれど、他番組でよくある「特定の言い回しが繰り返し用いられる」パターンというのはほとんどないし、また決めセリフに相当するものもない。主役である13人は子供であって軍人ではないし、どちらかというと平易な会話が主体となる。だから同じサンライズ制作のロボットアニメであるガンダムなどと名セリフの数を単純に比較することは難しい。

「最終回の紙飛行機のシーンやガイとの別れなどセリフをほとんど用いずに演出された名シーンも目立ちますね。これは脚本家の方の傾向と言うべきでしょうか」

星山氏が脚本を担当された回はおしなべてこの傾向が強いようである。そんなこともあって今回の投稿内容もほとんど重複がなく完全にバラける結果となった。まずは投稿頂いた「名セリフ」の数々を話数順に紹介。なお「13」とドラマ篇「金曜劇場」は第22〜26話の間に位置するものとし、劇中の時系列に従う形で扱っている。

(本文中敬称略)


にいさーーーーん!!→あ、・・・(笑)確か・・・「おじいさーーーん」といえばハイジで、「にいさーーーん」といえばフレッドだったような気がするんですよ・・・(笑)(らら・女性)

第3話、フレッド「ネコを捕まえてきて、しっぽを引っ張れば×××だ、なんてことが・・・」→声優の菊池くんがまだ声変りをする前で、全バイファムを通じて最高に声が高いときでした。ところでこのセリフがいまだに何を言っているのか解明できません。だれか教えてください。(さんぷる・男性)

「奇跡を見せてやろう」(3話より中尉)→中尉がジェイナスを救うために意を決した場面でのセリフで、確かアバンチュールタイトルでも使われていたと思います。個人的にはこの回のアバンが一番ドラマ性を感じさせる出来だったと思っています。思えば、13人の子供達の奇跡もここから始まったのかも。(神薙雄一郎・男性)

「君も来いよ、俺はロディ」(第4話)→ロディ。こうやってすっと自然に親しくなれるのがうらやましいです。(上村@一橋大・男性)

クレア「この戦争、いつ終わるのかしら・・・・。」→スコットとスターダスト見ながら言うクレアの台詞です。あれは・・・よいシーンです。(らら・女性)

「おたく、ご立派」(第6話)→バーツ。下品すぎないところがいい。(上村@一橋大・男性)

たぶん7話 スコットの「生意気言うな。僕がここの指揮官だって事を忘れるな。」→アゾレックの街の中で迷子になったルチーナとケイトさんと、2人探しに行ったロディをスコット、バーツ、ケンツで助けに行こうとする場面。ケンツに「足手まといになるなよ」と言われた後のセリフです。このセリフ、少年の気負いって感じが好きです。お姉さんはこういう男の子に弱いのよ。スコットの生真面さがよくわかるセリフですが、「13」のスコットにはこういう初々しさがないんですよねえ。(吉川・女性)

何話だったっけ???ベルウィック星編で、マキの「んな汚ねー手で食わせらんねーよー!」→名セリフ?というのとはちょっと違いますが。ケンツが「メシメシ〜!」って台所に駆け込んできた後のやりとりです。マキちゃんそれはちょっとお下品では?と思うような言葉遣い・・・でもなんか生活感が出てて好きです。マキは物語り後半になるにつれ、言葉遣いが丁寧になっていきますよね。「〜だよ。」という語尾が減って、「〜よ。」「〜だわ。」というおねえ言葉になっていくのはクレアの影響かしらん。このセリフはマキのお下品大賞って事で一票。(吉川・女性)

「そんなにカチュアが好きだったら、2人でお話すればいいのよ」(第14話)→ペンチ。なんとなく、カチュアファンに聞かせたい(笑)。(上村@一橋大・男性)

「ムリしちゃって」(複数回)→シャロン。ケンツがたそがれている時とか、ロディがやけ酒飲んだ時とか。なんというか、ホッとするセリフ。(上村@一橋大・男性)

異星人だから敵。そんな考え方は大人だけでいいのよ真似しちゃだめ。あなた達は仲間なのよ。(16話 ケイト)→イマイチ頼りなかった『大人』のケイトさん(今の自分を思えば当たり前なんですけど)でも、最期の台詞は見事でした。(なべなべ・女性)

「異星人だから敵、そんな考え方はわたしたち大人だけでいいの。真似しちゃだめ!」(16話・ケイト)→16話のラストシーンより。続く17話の、ロディの「あれはだれの責任でもない。全部この戦争が悪いんだ!」から、ラストの「ロディ、これやるよ。ケイトさんのタタミだぜ」「君が持ってろよ、シャロン。似合うよ」までの一連のエピソードが最高っす。泣けました。(バイファムの足に疲れてへたりこんでる男三人と、それを少し離れたとこから見てるカチュアとジミーとか、いいっすよねー)・・・しかし、ケイトさん生きてたとはねー。絶対死んだと思ったよね。(東山夏文・女性)

「何ていじわるなんでしょうこの調理器、いつまで出るつもり?」(第18話)→カチュア。声の下手さ加減が……。(上村@一橋大・男性)

これで本当にタウト星に行けるのだろうか?(オリジナル18話)→ 日常生活に属する(一部違う?)エピソードが、流れるように描かれた、前半屈指の名作「第18話」。そのラストでぽつりとつぶやくスコット。いつもの航海日記風ではない、飾らない普通の言葉は、無理難題や困った出来事が多過ぎて苦労が絶えない若干15歳の少年の本心をパーフェクトに表わしている(と思う)。こういう「普通っぽい台詞」で等身大の気持ちを感じられるのがバイファムの魅力の一つではないかと。(かわはた・男性)

「僕は、僕はいったいどうすればいいんだ!?」(複数回)→スコット。「どうしてこんなことになってしまったんだ!」ともどもがんばれスコット!(上村@一橋大・男性)

「あれ、シッポじゃないわよ」(第21話)→ペンチ。ウヘヘ(笑)。(上村@一橋大・男性)

第21話スコットのセリフ「これには、わけが、わけが〜・・・」→倉庫にて、スコットがエロ本に埋もれているところを、助けに来たロディとバーツに見られ、慌てていい訳するスコットのセリフで「これには、わきょが、わけが〜」と聞き取れ、かなり焦っている様子がよく出ている。当時、この声優さんやるな〜と思い、未だに印象に残っているセリフです。(笑)もっと感動的なセリフもたくさんあると思いますが、何故かこのセリフが最初に思い浮かんできたので・・・スコット役の鳥海勝美さん、流石です!(ぴろぴろ・男性)

「いけない! 見てはいけないっ!」もしくは「ぐ〜ぜんあんなことに…」(ドラマ金曜劇場)→ ドラマ金曜劇場からは、絶対にロディのこの台詞です。 誰かが彼らの行動を記憶したビデオテープが偶然見つかり、みんなで編集して上映会を開くというもの。で、ロディの名場面が次々と…  特にこのシーン前後は抱腹絶倒の台詞・掛け合いのオンパレードで、様々な女性陣の反応も楽しいのですが、何といってもオリジナルの性格にのっとった範疇でのスコットの錯乱ぶりがキーポイントでしょうか。 ドラマの内容を知らなければさっぱりわからないと思いますが、この台詞(前後の場面の会話をたっぷり含む)はバイファムの持ち味である「普段着の彼ら」を最大限味わえる、当作品きっての名セリフ(というより名会話)だと確信しています。(かわはた・男性)

おばちゃん(13 マルロ&ルチーナ)→いや、ホルテやルービンって寛大だなあって。20代はまだおばちゃんじゃないぞー!(笑)(匿名希望・女性)

(スコット)「全員生きて親に会うんだ!」=VIFAM13/第13話→このシリーズは基本的に集団劇でのため、特定のセリフで場面を決定付けるという事はなかったように思います。見方を変えると、多くのセリフが等しく役割付けれていたため、名セリフを選びにくいというのが率直なところ。それでもどれか一つと問われれば、私はこれを推します。ルルド隊の猛攻の中、ジェイナスを救うべく戦おうとするバーツに、スコットが退却を命ずる場面のセリフです。劣勢に立たされ大混乱の戦場の中、それでも「僕たちはみんな大切な仲間だ」というスコットのキャプテンとしての強い意志が、シリーズ全体を通じてもっとも明確に表現されていると思います。これは子供たち全員の思いでもありますが、それがこの極限状況でさりげなく表現されるところが秀逸。この他にも名セリフは数多くありますが、●単独でも意味が通じる●感動を呼ぶべく設定された場面ではない●あの「13」でのセリフである(笑)こと等を考慮して、あえて推す次第です。***************(コメントはここまで)そりゃ、46話の「…絶対に」を推したいのはやまやまですが。これは1話のラストシーンがあるからこそ一段と輝いているのであって、このセリフ単独で、という「狭義の」名セリフでは、ハナの差で及ばない。同じ46話のシャロンの「くそったれ…!」は文句なく名セリフですが、あの場面では誰が何を言っても名セリフになってしまいます。その他「オタクご立派」「遠い遠い…」「一緒にお酒、飲みたかったわ」「僕はそんなにスケベじゃないぞ!」「愛するルチーナ…」「おめーら幽霊か!」「皆さんの楽しい旅行を…」「熱いことはいいことだよ」「でも、もう平気だよ」「ケンツにあげたハーモニカ…」そして「ケンツ・ノートン軍曹、任務に戻りなさい!」などなど、たくさん検討したのですが、結局いちばんマイナーなセリフを推すことにしました。我ながら、よくもまあこれだけ検討したものです(だいたい10時間ぐらいは考えただろうか…ヒマ人)。(ほうがん・男性)

時々は思い出してね(13 14話ルービン)→『忘れないでね』ではない控えめなところが彼女らしいです。(なべなべ・女性)

第27話、通訳「ノウミソクルクルゥ〜、モウモトニハモドレマセ〜ン」→とりあえずこれにも一票入れときます。(さんぷる・男性)

「脳ミソク〜ルク〜ル」(第27話)→タウト星通訳氏。これを聞いただけれも、もう元にはもどれませ〜ん。(上村@一橋大・男性)

「迷っているひまはない! 僕に続け!」(第28話)→スコット。かっこいい。(上村@一橋大・男性)

「男の友情に言葉はいらない」(第36話)→シャロン。君が言うと妙に説得力があるぞ(笑)。そのすぐ後のマキの「勝手にしなさい」も捨てがたい。(上村@一橋大・男性)

「もう…意地悪!」(第38話)→マキ。僕も言われたい(笑)。(上村@一橋大・男性)

第39話、ガンテツ「ワシの流儀で作戦を完遂するのみよ!!、ぐわ〜ふぁっふぁっふぁっ」→このセリフだけで彼の性格、人生観、役割、生立ちまでわかってしまうという完全無欠の名セリフです。時間にしてわずか20秒ほどの出演でこれほどインパクトをあたえるとは、やはり彼がバイファムの中で最強のゲストキャラではないだろうか。(さんぷる・男性)

「不潔だわ」(第39話)→クレア。ごめん、ごめんよぉ〜、って何故僕が?(上村@一橋大・男性)

ち・血がにくい!!→ミューラーの自分ではどうする事もできない血の束縛が、この一言に凝縮されています。(デルヒテ・男性)

第44話「大宇宙のうた」よりシド・ミューラァ「カチュア、君は地球人とうまくやっていける、いや、そうであって欲しい。」→ 31話のケンツのセリフ、「ククトニアンも俺達と同じ人間なんだ」や、41話のロディ、ミューラァの対決シーンのセリフ、最終回のロディのバイファムへの別れの言葉、カチュアのメッセージなども捨てがたかったが、私はこれを推薦する。(外道竜神・男性)

第45話、シャロン「この穴に先っちょ入れんのか?」ケンツ「ちがうよ穴を先っちょに入れるんだよ」→あ、やっぱりNGですか?それとも追試ですか?相変わらずでスンマセン。(さんぷる・男性)

「地球軍の兵士もククトニアンの兵士も戦場に行くとき家族連れで行けばいいと思うんです」(46話)→最終回のスコットのセリフ。この後「奥さんや子供が危ない目にあえば、戦うのがイヤになると思うんです」と続き、それを聴いたデュボアが嗤う。嗤われるのは百も承知。スコット版「戦争絶滅うけあい法案」は平和への原点。家族への愛を足がかりにした平和を提示するこの物語は、どんな時代のどんな国でも受け入れられるのではなかろうか。最終回のスコットのセリフは、そんな物語のまとめのコアとして最適だと思う。(saku・男性)

46話 バイファムに別れを告げるロディ「お前ともいよいよお別れだな」→土曜夕方5時半から放映していたサンライズ作品の主人公達には言えないセリフでございます(あ、ドラグナーは別かな)。(神薙雄一郎・男性)

シャロンが母親に何て話そうか迷うくだり(第46話)→「声聞いたら泣けちゃう」とかなんとか。変な言い方だけど、人間味があふれている。(上村@一橋大・男性)

第46話 名も無き兵士の「今さら和平交渉だなんて、先にしかけておいてよく言うよなあ」(だったと思います(^^;;;)→個人的にはジミーちゃんの最後のセリフが本当の名セリフなんですが、あえて当時ガキンチョながら衝撃を受けたセリフを選んでみました。ムック本等にも書いてありますが、このセリフで「兵士は真相を知らない」「和平成立の遠い道のり」が良く現れていたと思います。また、このセリフの一言があるから、最後のジミーとカチュアとの分れのシーンやロディのセリフにも重みが出たんだと思います。そう言った事からも、布石のセリフとしてもかなりの名セリフになるのではないでしょうか。(ケンツ・男性)

バカヤロー!戻ってこい!オレん家くるっていったじゃないか!(46話ケンツ)→何度見ても泣けます。(なべなべ・女性)

ケイトさん、もし思い出すのなら、楽しかったことだけを思い出してください(OVA4話)→ OVA4話イチオシの台詞。記憶を無くしたままのケイトとの別れに、彼女を不安がらせるような「記憶が戻らなくて残念」でも「一緒に地球へ」でも「必ず思い出させて」でもない、限りなく優しいロディだからこそ最後に告げた、とても思いやりあふれる感動的な一言(と思う)。この台詞だけでOVA4話をとりあえず許してしまうのは甘いですか?(かわはた・男性)

面白いのが最終回への投票内容。5票それぞれが別のセリフに投票されている上ラストのフレッドとロディの会話が入っていないというのも意外といえば意外。突出した名セリフがないという意味で非常に興味深い傾向である。

「13人以外のキャラクターのセリフが比較的多いことも目に付きますね」

これは冒頭にも書いた通り、13人のセリフはあくまで日常生活の延長線にあるもので、ケイトやミューラア、中尉らの大人が物語から退場する間際に発した重みのあるセリフと単純に比較できないということであろう。そういう意味ではOVA4巻ラストの「もし思い出すのなら楽しかったことだけを思い出してください」というロディのセリフはオリジナルシリーズ中の言い回しとは明らかに異なっており、ある意味彼の成長の証とも取れるセリフである。

「さて、公式見解はいかに?」

今回はあくまでシリーズ全体を通した名セリフということで敢えて13人にはこだわらずに選んでみたい。最終回の兵士のセリフも捨てがたいが、ここは第16話におけるケイトの「異星人だから敵、そんな考え方はわたしたち大人だけでいいの。真似しちゃだめ!」を公式見解としたい。どうしても13人のセリフから選ぶのであれば、このケイトのセリフを受けての第17話のロディの「あれはだれの責任でもない。全部この戦争が悪いんだ!」、および第6話におけるクレアの「この戦争、いつ終わるのかしら…」あたりが有力。すべてのセリフにおいて戦争がキーワードとなっている点がポイントである。

「物語の根幹に関わるテーマを如実に表したセリフ、ということですね」

というわけで今回は以上である。なお番外編として「ノーミソ ク〜ルク〜ル」もバイファムを代表する名セリフとして推薦しておきたい。

「インパクトという観点であれば突出していますからね」

(構成:MAGI)


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